卵巣は女性だけが持つ臓器であり卵子を蓄える働きをしています。

子宮の両側にあり、通常大きさは親指大ほどです。
この卵巣の中には卵子のもととなる原子細胞が数百万もあり、そこで育った卵子が毎月1つずつ外に排出され卵管の中に入ります。

ここで精子と受精すれば、受精卵は子宮に運ばれ着床し、妊娠が成立するというわけです。

卵巣は腫瘍ができやすい臓器ですが、腹部の奥にあるため病気になっても自覚症状が現れにくく、「沈黙の臓器」とも言われています。

卵巣のう腫も卵巣に起こる病気の1つとして知られています。

卵巣のう腫とは、卵巣の中に液体脂肪分が溜まってしまう病気です。

中身は液体のため触ると柔らかく、肥大してこぶし大もしくはそれ以上の大きさになってしまうこともよくあります。
多くの場合片側だけに病変を起こしますが、時に両方の卵巣に病変を起こすこともあります。

卵巣のう腫は良性であることがほとんどですが、のう腫の中身よって4つの種類に分類されます。

  • 漿液性のう腫・・・卵巣のう腫の中で最も多いタイプであり、卵巣から分泌される漿液が溜まったものを言います。
  • 粘液性のう腫・・・閉経後の女性の特に多いタイプであり、ゼラチン状の粘液が溜まったものを言います。肥大してかなり大きくなることもあるようです。
  • 皮様性のう腫・・・20~30代の女性に特に多く、人体のもととなる歯や髪の毛などの組織が含まれたドロドロの物質が溜まったものを言います。
  • チョコレートのう腫・・・20~30代の女性に特に多いタイプであり、子宮内膜症が卵巣内にできてしまったものを言います。毎月の生理による出血が上手く排出されず卵巣内に溜まることで起こります。

気づいた時には悪化していることが多い

卵巣のう腫は、初期段階での自覚症状はほとんどありません
これがこの病気のとても恐ろしいところです。
気が付いた時にはかなり症状が進行してしまっているというわけです。

病気が進行してのう腫が肥大して周りの臓器や組織を圧迫するようになると、生理の時以外の腹痛や腰痛便秘や頻尿などの症状が現れます。

また外から触れて気が付くことも少なくありません。
さらに進行してのう腫が肥大すると、卵巣の根元が回転してねじれてしまう「茎捻転」を起こすことがあります。

茎捻転を起こすとそれまで送られていた血液が滞ってしまい腫瘍が壊死してしまいます。
そのため強い炎症をおこし、強烈な痛みが現れるようになります。
茎捻転を起こすと非常に危険な状態となるため、早急に手術をする必要があります

腫瘍が5㎝を超える大きさになると、茎捻転をおこす可能性があるため特に注意が必要となります。

卵巣にできた腫瘍がのう腫なのか悪性の卵巣がんなのかは、超音波診断やCT、MRIなどの検査を行うことで判別できます。
のう腫が7㎝を超えるほど肥大してしまった場合は、原則として摘出することが多いようです。

しかし卵巣は妊娠にとても大きくかかわる臓器であるため、特に若い女性でこれから妊娠や出産を考えているという場合には慎重におこなう必要があります。
どのように摘出するかは、のう腫の状態を調べたうえで本人の意思も出来る限り反映されることが多いようです。