卵巣のう腫は近年若い女性の間で急増している病気です。

のう腫、すなわち腫瘍ができるのですから、どんな激しい痛みが起こるのだろうかと不安に感じている人も少なくないのではないでしょうか。
しかし実際には卵巣のう腫ができたからと言って、すぐに激しい痛みが出るわけではありません

卵巣は「沈黙の臓器」とも言われており、病変を起こしてもなかなか自覚症状が現れない臓器です。
ですから腫瘍が5㎝くらいまでのうちは、発生しても気が付かないこともよくあります。

卵巣のう腫は大半が良性の腫瘍であり、小さいうちは定期的な検査をするだけの経過観察で問題ないことがほとんどです。
そのため腫瘍があるからと言って、すぐに手術を受けて摘出しなくてはならないというわけではありません。

腫瘍の大きさがこぶし大ほどにもなれば下腹部に手で触れても分かるようですが、これも医師など専門的な人によるものであり、自分では気が付かないことも決して珍しい事ではありません
特に若い女性の場合は何の自覚症状もないまま下腹部が膨らんできたことから妊娠を疑う人もいますが、実は卵巣のう腫の腫れによるふくらみだったということもしばしばあります。

とはいえ腫瘍がこぶし大にもなれば、下腹部のふくらみ違和感腰痛を感じる人も中にはいるようです。
卵巣のう腫が大きくなるスピードは人によって違いますが、中には急激に大きくなったり子どもの頭ほどの大きさにまで大きくなることがあります。

あまりに急激に大きくなる場合には悪性の腫瘍である可能性も否定できないため、早めに手術をすることも多いようです。
またここまで大きくなると突然下腹部に激痛が走り、ショック状態を起こしたり嘔吐してしまうこともあります

これは大きくなった卵巣の根元が何かの拍子にねじれてしまう「茎捻転」を起こした時にあらわれる症状です。
ねじれることで卵巣部分に血液が行き届かなくなり、卵巣の細胞が壊死してしまうために激しい痛みが起こります。

茎捻転を起こすと歩行もできないほどの激しい痛みを引き起こすため、緊急手術をして卵巣を摘出する必要があります。

またあまり卵巣のう腫が大きくなると、大きくなった卵巣のう腫によって卵管が引き伸ばされることで働きが悪くなり、不妊症を引き起こすこともあるため、手術をして摘出することが多くなります。

卵巣のう腫の中でも、卵巣内に古い血液が溜まることで起こるチョコレートのう腫は、ある程度大きくなると突然破裂することがあります。

のう腫が破裂すると、腹膜炎を起こしたりショック状態に陥ってしまうことがあり、茎捻転の場合と同様に緊急手術をして卵巣を摘出する必要があります。

つまり卵巣のう腫があることを知らないまま放置しておくと、このような危険と常に隣り合わせだということが言えます。
大事に至らないためにも、特に卵巣の腫れを指摘されたことがある人は、定期的に検査をして卵巣のう腫が悪化していないかどうか状態をまめにチェックすることが大切です。

そして今まで卵巣の検査をしたことがないという人も、一度検査を受けておくと安心でしょう。