卵巣のう腫とは、卵巣にできた袋状の腫瘍の中に液体などの異物がたまる病気であり、女性であればだれでもかかる可能性があります。
自覚症状に乏しく、気づいた時にはのう腫がかなりの大きさになっていることもしばしばあります。

また卵巣の大きさというのは生理周期によっても変化するため、排卵直後や生理前に多少腫れて大きくなることは珍しい事ではありません。

はっきりとした基準はないものの、5㎝くらいまでの卵巣のう腫であれば外来で定期的な経過観察をすることが多く、卵巣のう腫が見つかったからと言ってすぐに手術をする必要はありません。
ただし5㎝を超えるほど大きくなった卵巣のう腫は、卵巣の根元が回転してねじれてしまう茎捻転のう腫自体が破裂を起こす危険が高くなるため、手術が考慮されます。

さらにのう腫が急激に大きくなったりある程度の大きさなると、良性の卵巣のう腫が悪性に変異している可能性も考えられるため、悪性ではないことを確認するためにも手術が検討されることも多くなります。

卵巣のう腫の手術の種類

手術は、卵巣そのものを取り除く手術と卵巣の腫瘍のみを取り除く手術の2つに大きく分けられます。

閉経が近く高齢であれば、卵巣そのものを取り除く手術が行われることが多いようです。
もちろん卵巣そのものがなくなってしまえば再発の心配は全くいらないため安心です。

しかしこれから妊娠や出産を望む若い女性の場合は、卵巣を取り除くことで不妊になることも多いため、全摘する手術が行われることはあまりありません

また、片方だけの卵巣を取り除くのであれば問題はありませんが、両方の卵巣を一度に摘出してしまうと、女性ホルモンの分泌が急激に減少するため手術後に更年期のような症状があらわれることも多く、体への負担は大きくなります。

20~30代の若い女性の場合は、これから妊娠や出産を考えているという人も多いと思います。
このように将来的に妊娠する可能性を残しておかなくてはならない場合は、多少再発や悪性の可能性があったとしても腫瘍だけを取り除き正常な部分の卵巣は残しておくという方法で手術を行います。

ただし、卵巣が茎捻転を起こして壊死していたり悪性の可能性が否定できない場合には、病変を起こしている側の卵巣を全摘することもあります

手術の方法には、お腹をメスで切り開いて手術する「開腹手術」と、お腹に小さな穴をあけて手術を行う「腹腔鏡手術」の2つがあります。

悪性が疑われる場合やこれまでに開腹手術をしたことがある場合には、開腹手術しか受けることができませんが、そうでない場合最近は腹腔鏡手術を行うことが多くなっています。
腹腔鏡手術は開腹手術に比べて小さな傷で済むため、術後の回復が早く入院日数も大幅に短縮することができるというメリットがあります。
ただし腹腔鏡手術を選ぶ基準は病院いよって異なるため、自分の卵巣のう腫が腹腔鏡手術の対象になっているかどうかをチェックしておく必要があります。

また、どこの病院でも腹腔鏡手術が受けられるというわけではなく、受けられる病院はある程度限られています。
そのため手術をする場合には、どのような手術方法で行うのかを医師と十分話し合うことが大切です。