卵巣のう腫とは中に液体や脂肪が溜まってしまう柔らかい良性の腫瘍のことを言います。

卵巣はもともと腫瘍のできやすい臓器であることに加え、腫瘍ができても自覚症状がほとんどなく「沈黙の臓器」とも言われるほどです。
そのため卵巣のう腫があっても全く気が付かず、腫瘍に気が付いた時にはかなり卵巣が肥大してしまっていることも少なくありません。

卵巣のう腫の検査方法

卵巣のう腫であるかどうかを調べるためにはいろいろな検査を行いその結果で総合的に判断します。
まずは問診のあと内診を行います。

内診

内診では膣から指や機械を挿入して子宮や卵巣の状態を確認します。
卵巣に腫れや痛みがある場合はこの段階で確認することができます。

内診では膣から超音波の機械を入れて卵巣の状態を確認することもあります。
卵巣は通常2~3㎝(親指大)ほどの大きさですが、卵巣のう腫である場合はそれ以上の大きさに腫れていることがほとんどです。

またお腹の上からも超音波を当てて卵巣の状態を確認することもありますが、膣から超音波の機械を挿入する方がより正確に卵巣の状態が分かります

レントゲン検査

そのほかMRIやCTなどのレントゲン検査も行います。
レントゲン検査では卵巣の状態はもちろんのこと、癒着の状態や悪性であるかどうかを調べることができます。

また卵巣のう腫は中にたまっているものによっていろいろなタイプがありますが、どのタイプの卵巣のう腫であるのかも大体調べることができます

血液検査

血液検査では腫瘍マーカーの値が高いかどうかを確認します。
子宮内膜症や卵巣のう腫、卵巣がんといった病気である場合、CA125と言われる腫瘍マーカーの数値が高くなります。
ただしこれはあくまで目安であり、腫瘍マーカーの値が低くても卵巣のう腫や子宮内膜症などの疾患である可能性はあります。

色々しても確定診断はできない

このように卵巣のう腫であるかどうかを調べるためには色々な検査を行いますが、これらの検査を全て行ったとしても「卵巣のう腫である」という確定診断はできません
あくまでも「卵巣のう腫の可能性が高い」ということが分かるだけです。

確実に卵巣のう腫であることを調べるためは、直接お腹に小さな穴をあける腹腔鏡検査を行う必要があります。

卵巣のう腫は自覚症状に乏しい病気ではありますが、全く自覚症状がないというわけではありません。
最近太ってもないのに下腹部が膨らんできたりしこりがある、下腹部痛腰痛がある、最近便秘頻尿になったなどの症状がある場合は注意してください。

卵巣のう腫の可能性もあるため、早めに婦人科を受診しましょう。

もちろん卵巣のう腫は命にかかわるような病気ではないため、すぐに手術をする必要はありません。
しかし卵巣のう腫が大きくなると茎捻転(卵巣の根元がねじれてしまうこと)を起こして緊急手術が必要になったり、悪性化して卵巣がんになることもあるため放置しておくことは大変危険です。

卵巣のう腫を早期に発見するためには、婦人科で定期的に検診を受けておくことはとても大切です。
また子宮がん検診などの時に一緒に卵巣の超音波検査も受けておくと、卵巣の腫れや異常の有無が分かるため安心です。
もしも卵巣のう腫が見つかった場合でも早めに対処することで大事に至らずに済むはずです。